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プロテインキナーゼ阻害の検定 II

(担当:深澤秀輔)

チロシンキナーゼおよびその下流のシグナル伝達系は,多くのがん細胞で活性化しており,抗がん剤の有力な分子標的である.ここでは細胞を血小板由来増殖因子(platelet-derived growth factor, PDGF) 刺激して,活性化されるPDGFレセプターチロシンキナーゼおよびその下流の主要な細胞内シグナル伝達経路に対する検体の阻害効果を評価するとともに,4種類のチロシンキナーゼに対する阻害効果をcell based ELISAを用いて評価する.

【方法】

実験系1:細胞内シグナル伝達
NRK細胞を96ウェルプレートにまき込み,3日間培養後,サンプルを添加,3時間処理した後にPDGFで刺激する.電気泳動用サンプルを調製し,リン酸化されたシグナル伝達分子(AKT,ERK,PKD,PLCγ1,S6 ribosomal protein)及びphosphotyrosineに対する抗体によるウェスタンブロットを行い,PDGFレセプターからの細胞内シグナル伝達に対する影響を評価する.

実験系2:チロシンキナーゼ
293T細胞を96ウェルプレートにまき込み,チロシンキナーゼ(ALK, IGF1R, RET, TRKA)発現プラスミドをトランスフェクトし,チロシンキナーゼを一過性に発現させる。サンプルを添加して3時間処理後,細胞を固定し,cell-based ELISAにより細胞内ホスホチロシンレベルを測定する。

【活性の評価】

検体は最終濃度1,10 μMになるように加え,阻害の有無と阻害パターンを判定する.阻害活性を示した検体については段階的希釈系列を作り,有効阻害濃度を求める.実験系1は10 μM,実験系2は1 μMで50%以上の阻害活性が認められたものを有効とする.